知り合いの
大学生が
結婚式場のバイトをしている。
披露宴の
配膳係で、時給もいいらしい。
仕事は日曜・祝日がメインで、賃金が良い分、動き回っているとの事。
ある日、その
大学生が、シェフから大目玉を食らったと、私に言った。
いい加減な気持ちで、テーブルに給仕するなと。
シェフ曰く、「心をこめて作った食事だ。美味しく頂いて貰おうと、
丹精こめて作っている。それがぶ然とした態度で、お客さんに出してみろ、応対の悪さに不満をもたれるだけでなく、食事まで不味くなってしまう」。
この
大学生は、叱られたことに腹を立てるどころか、感心していた。
100をして完成する仕事があるとする。99を完璧にしても、
残りの1がいい加減であれば、全てが駄目と評価される。
だから、気が抜けない、最後まで。
私はその
大学生に言った。
「君がキレなかったのは、シェフの信念がこもっていたから。そしてもう一つは、君自身がそれに気付いたことだ。そのシェフは、いい加減な気持ちで怒る奴らとは、わけが違う」。
今その
大学生は、厳しい
労働環境ながらも、納得して仕事をしている。
それは、皆が信念を持って叱ってくれるから。

テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学
- 2007/01/07(日) 15:20:39|
- 「哲学」
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近くで、客が全く来ないのに、開店し続けている喫茶店がある。
五十代後半の女性が経営する喫茶店である。
数年前は、彼女の眼の前の喫茶店が盛況で、
対抗意識もあって、踏ん張り続けていただろうが、
現在はその流行った喫茶店も、二代目が継ぎ、
商売下手なのか、廃れてしまっている。
謂わば、この女性にとっては、競争相手がいなくなった訳だが、
それでも客は彼女の店にはほとんど来ない。
否、私自身、客が来るのを見たことが無い。
彼女を支えているものは何か? 意地か? 信念か?
ある新聞の記事で、女性天皇反対論者が、こう言っていた。
「女性が天皇になることに、私が反対しているというのは、正しくない。
一度途切れた歴史は、取り戻すことは出来ない―只、それだけだ」
喫茶店の彼女は、自らの歴史を、しっかりと刻もうとしているのかもしれない。
Frank Yoshida|
「商社んく」第1話|
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- 2006/03/06(月) 00:08:08|
- 「哲学」
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