「兄弟げんかとくれば、やはりテレビの“チャンネル争い”。一番ひどかったのは小学生の頃。兄貴は戦争もので、僕は怪獣もの。テレビは1台しかなかったから、当然、何れかが泣きをみる。『怪獣を見たい!』と僕がごねると、『うるさい、黙れ!』と、兄貴は僕の頭をよく叩いた。『弟に見せてやれ』と親父が仲介に入ると、兄貴はやるせなさそうにもう一発僕に拳骨を食らわし、ぶつくさ言いながらよく退散していった。親父以上に兄貴によくひっぱたかれたが、それでも怪獣ものを見ようと踏ん張った僕である。ただではめげない不屈の精神、いや我侭なところは、この頃宿ったのかもしれない。...そういえば、チャンネル争い以降、僕は親父に媚びるのが旨くなったと、兄貴は言っていた」
Author:Frank Yoshida