「小学生の頃の僕のお小遣いは“月参百円”。使いみちはって? 一日大体拾円の計算だから、五円はアイスクリーム、残り五円は“ぺろぺろ”に。この“ぺろぺろ”は岡山のきび団子に似ていて、おいしかった。五円出すと駄菓子屋のおばちゃんがいつもこういった。『毎日食べても飽きないでしょ』。学校から帰った僕は勉強そっちけで、ランドセルを放り投げ、このアイスクリームとぺろぺろを“おやつ”に遊びほうけていた。...ところが或る日、8の字型にレールを繋げたレーシングカーが欲しくなり、おやつを節約してこつこつとお金を貯めていった。レール1本が、僕の月のお小遣いと同額の“参百円”だった。2本目のレールを買ったとき、『8の字に繋げるには道のりは長いな』と思った。結局、レールが8の字に繋がって、まともにレーシングカーが走らせられるようになったのは、中学生になってから。...今から考えると“けな気”だったなと泣けてくるが、小さな夢を持ち続けたあの頃のドキドキ感を今でも憶えている。大人になった今、あらたな夢を追い続けている」
Author:Frank Yoshida