後ろ姿
桜前線が近畿を通過するころ友達と清水寺に花見に行くことになった。河原町で電車を降り四条通りを歩き、八坂神社前の広い横断歩道に出る。大勢の人が信号の変わるのを待っていた。
目の前の朱塗りの門を見上げながら、私はふと与謝野晶子の短歌を思い出した。
清水へ祇園をよぎる桜月夜
今宵会う人 皆美しき
ずっと昔,与謝野晶子は桜咲くころ、この界隈を歩きながら、この歌を心にうかべたのだろうか。
信号が変わり、皆が歩き出した。半分ほど渡り終えたとき,私は前を歩く一人の女性に気がついた。両足をロボットの足のような器具で支え松葉杖をついている。骨折のような一時的な負傷ではなく、病気のために歩行が困難になったような感じがした。茶色に染めた髪とピンク色のブラウスからまだ二十代のように見える。力の入った肩で彼女がどれほど一生懸命歩いているかがわかる。しかし歩みは遅い。ほとんどの人が渡り終えようとしている。信号も点滅し始めた。
私は無意識のうちに彼女の後ろについて、彼女と同じ速度でゆっくりと歩いていた。たとえ信号が赤になっても二人だったら車も歩行者に気がつきやすいと思ったからだ。
無事に渡り終え、友達と合流し言葉をかわしている間に彼女の姿は見えなくなった。小さな角を曲がったのだろう。
彼女の後ろ姿が忘れられなかった。花見に浮かれている人たちのあいだで、生きるということを静かにしかし激しく感じさせていた背中。と同時に周りにいるはなやかな若い女性との外見の落差という不条理に対する悲哀と怒り。にもかかわらず人をひきつける無心な美しさがあった。言葉に尽くせない深いものが胸にあふれた。

テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学
- 2006/12/01(金) 00:33:06|
- 「私の投稿」
-
-
「道楽英語」〜英字新聞と私〜
単語集を開いてコツコツ覚える
そんな英語の勉強に飽きたら
英字新聞を試してほしい
私のおすすめは「毎日新聞」の「毎日WEEKLY」
単語の注釈が丁寧だから
辞書ひきたくなーい、ぐうたらな私でも
さじを投げずに記事を読破できてしまう
そんな達成感と
気づいたらボキャブラリーが増えている?!って感覚ももちろん感激なんだけど
それだけじゃない、毎日の生活が楽しくなるといううれしいおまけもついてくる
英文を読むことに疲れたらクロスワードパズルをしてちょっと頭の体操
ときには掲載レシピをもとに多国籍な料理をつくって
外国情緒を舌で楽しむ
大好きな星占いのコーナーも英語だとちょっと知的な気分になったりして
飽きない程度に資格試験対策の文法問題があるから
飽きない程度に真面目な勉強もできる
そして何よりの楽しみが
プレゼントコーナー
毎週まずはここを開いて
この商品と狙いを定めたら
応募締切日を期限に定めて全コーナーの読破を目指す
全コーナー制覇して感じたことをはがきにしたためたら
今週の「毎日WEEKLY」は一丁あがり
運がいいと、忘れた頃に
ポストに、狙い撃ちしたあのプレゼントが入っていたりする
自分の感想文が新聞に載ったりして
ちょっと興奮
だからやめられない
これがわたしの道楽英語生活

テーマ:オリジナル小説 - ジャンル:小説・文学
- 2006/11/30(木) 10:48:56|
- 「私の投稿」
-
-